南インドはインド南部に位置する6州を主に指します。地図で見ると、インド洋に突き出たインド亜大陸のだいたい下半分が南インドということになります。気候が温暖、海岸線が長い、といった地理的な特徴に加え、古くからの土着的文化が色濃く残っている地域でもあります。
南インドは米どころ。北インドが小麦中心の食文化なのに対して、南インドでは主食として主に米が食べられています。栽培される米の品種は実に多様で、インディカ米としてお馴染みの長粒米から日本同様の短粒米まで形や粒の大きさも様々。地方によっては原種に近い赤い米が今でも食べられています。
古くから独自の食文化を持つ南インドのカレーは、スパイスの力で素材そのものの味わいを引き出すのが最大の特徴です。日本で従来一般的なインドカレーと比較すると油脂も少なくサラッとスパイシー。世界有数の稲作地帯という事もありお米によく合うカレーが中心です。
ミールス
南インドならではの賑やかなカレー定食がミールス。
現地ではバナナの葉に直接盛り付けられる事もあります。
1.ミールスが到着したら
カトリ(小皿)を外に出してスペースを確保。パパドを割って端に移動。ライスを平らに広げる。
2.広げたライスにカレーやスープを1種類ずつかけて食べます
パパドは合間にそのままかじったり砕いてライスにトッピングしたり。
3.ライス半分くらいにサンバルを混ぜ、そこに次々に他の物を混ぜて食べる。
ただし、チキンカレーなどのお肉カレーは他と混ぜずに単独で食べます。
4.最後に残ったカレーやスープを全部混ぜて
そして別でちょこっと残しておいたライスにヨーグルトと卓上のウールガイ(漬物)を混ぜて最後の締めに!
ビリヤニ
お肉や野菜などの具材とお米をスパイスと共に炊き込んだインド式のスパイシーパエリアです。インドではお祝いやお祭りに欠かせない、贅沢なおもてなし料理なのです。そのままでも美味しくお召し上がりいただけますが、お好みのカレーをかけていただくとより一層リッチな美味しさがお楽しみいただけます。
フィッシュカレー
南インドは海に面する地域が多く、様々な魚が盛んに食べられています。調理法も様々ですが、やはりカレーはその代表的なもの。比較的シンプルなスパイスでタマリンドなどの酸味効かせる物が中心で、さらにそこにココナツミのコクが加わる事も多くあります。
ティファン
南インドでは、米を中心にその他の穀物や豆を加工した軽食類が食文化の重要な一角を占めており、「ティファン」と総称されています。特に人気があるのがドーナツ状のワダやクレープのようなドーサ。朝食の定番でもあります。
ウールガイ
インドでは全域で、日本で言う「お漬物」的な物が日常的に食べられており「アチャール」と総称されていますが、南インドの一部ではそれが「ウールガイ」とも呼ばれています。野菜や熟す前のフルーツを使い、スパイシーに漬け込まれた酸っぱ辛い常備菜です。